DIARY OF WAR


 Diary No.43 「めぐりあい」

 ブッシングで警備中、夜半に突然兵団司令部から「マーカス岬ニ敵上陸ス。貴大隊ハ全力ヲ挙ゲテコノ敵ヲ撃滅スベシ」 との命令が下達された。

 さあ大変だ!戸伏大隊長は急遽出動の為の準備を命令した。第一中隊遥か北にあるニゴールで警備に当たっており、すぐには連絡が取れない。 大隊長は止むを得ず第一中隊を諦め、大隊本部、第二、第三中隊、第一機関銃中隊、大隊砲小隊でこれに当たると事を決意した。 身辺の不必要な私物などは全部地中に埋め、戦闘に必要な身軽ないで立ちで海岸に出た。

 そこには船舶工兵第一聯隊が既に上部からの命を受けて待機していて、大発動艇七隻に分乗、大隊本部が先頭になり闇の海へと出撃した。 途中、艇隊長の小堺少尉(後日知ることになるのだが、塚本氏と同じ幹候七期であった)が「危ないからエンジンは止めて竹竿で行きましょう」という助言があり大隊長もこれに同意した。

 聞くところによると彼はこれまで数回マーカス岬まで往復した経験があるとのことで、この一帯は「蛍のケツ」らしく大隊長も安堵して彼に任せる事とした。

 途中、敵のボート二隻と遭遇しこれを撃沈させたことは既報のとおりである。我々をオモイに送り届けたあと船舶工兵七隻は踵を返して帰っていった。 「有難う!!無事に帰ってくれよ!!!」と帰路の無事を祈り見送った。この後マングローブの林で苦労を重ねながらマーカス岬へと急ぐのである。

 年は変わり今から15年ほど前、突然小堺さんから「今、T県で石灰の採掘現場で仕事をしている。暇を見てお伺いしたい。」との電話があった。 是非にとの事で邂逅(めぐりあい)の機会が得られた。当時はお互いに無我夢中であったので顔もよく憶えてなかったが、昔話に花が咲き、当時の苦労話に時を忘れて語り合った。 彼はその後何回か同じ航路を行き来したそうであるが、お互い生命永らえて、また相まみえる事が出来た事に改めて「運命」なるものに思いを馳せている。

Diary No.044 訃報
 

 

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